抽象表現実習

油絵クラスでは「抽象表現実習」と題して、2回に分けて、いつもと違うアプローチで作品作りに取り組みました。

1日目は「マーブリング」(マーブリングインクを水の上でかき混ぜて模様を作り、紙で吸い取る)、「デカルコマニー」(紙を半分に折って、その片面にアクリル絵具をのせ、もう片面を押し付ける)、「スタンピング」(段ボールの断面やプチプチなど、様々なものに絵具をつけて紙に押し付ける)、「スパッタリング」(歯ブラシに絵具をつけて指で弾く)、「ドロッピング」(水で薄めた絵具をスポイトで紙の上に垂らし、傾きを変えながら流す)、「レジスト」(オイルパステルや蝋燭で描いた上に水彩絵具で着彩すると描画した部分がはじかれる・いわゆるはじき絵)などによって、素材を作りました。

筆を使って描くことではできない表情を作ることに重点を置きました。

左上から、KSさん、HSさん、GYさん、GKさんの素材たち。この段階でも、生徒さんごとの個性が出ていて面白かったです。

2日目は1日目に作った素材をコラージュして作品を作ります。

左上から、KSさん、HSさん×4、GYさん、GKさん。

KSさんは白い画用紙の上に直接貼り付けて行きました。あの素材から人間が出てくるとはびっくりです。HSさんは貼り付ける台紙に様々な絵具の表情をつけながら、4枚も作りました。GYさんは1日目をお休みされていたのですが、一気に1日で素材作りから本制作までやり切りました。

GKさんはご自宅で「デカルコマニー」で中央の猫を作られてきました。さらに、油絵具をテレピンで溶いて、水に浮かべ「自家製マーブリング」を行いました。左下と右上の模様がそれです。そのイメージからコラージュされた部分の隙間に水彩で模様を入れてまとめあげました。

「抽象表現」というとちょっと敷居が高く感じるかもしれませんが、生徒さんたちは、偶然できた形や色をもとに自分なりのバランス感覚で配置していくことで、楽しみながら制作できたようです。