作家研究からの展開

カルチャー教室油絵クラス土曜コースの作品紹介です。

油絵クラス、土曜、日曜コースでは、生徒さんはそれぞれの興味に合わせたテーマで制作しています。今日ご紹介する土曜コースでは、作家研究に取り組んでいる生徒さんもいます。

1枚目は印象派の点描を研究した作品です。きっかけは「自分は長いストロークだと上手く描けないので、短いタッチで描いたらどうだろうか?」という発想だったそうです。「それなら、印象派の点描なんかどうですか?」とスーラ、シニャックなどを紹介し、その画集を眺めながら、どんな色の点を配列しているのかなど参考にしながら描きました。一見、青く見える空の中に、ピンクやオレンジ、グリーンが、緑の山の中に青や黄土が見つかったり、いざ描き方を真似しようとするとそれまで気がつかなかった様々な発見がありました。

2枚目はセザンヌのタッチと構図、構成を参考にした作品です。この生徒さんが初めてセザンヌに出会ったのは、東郷青児美術館(現・SOMPO美術館)だそうです。ゴッホのひまわりの左隣に飾られた「リンゴとナプキン」という作品の斜めのタッチにとても惹かれたそうです。セザンヌは近代絵画の父と呼ばれるだけあって、作品をよく観察すればするほど、その味わい深さが増してきました。同じ色を塗っても、タッチの方向の幅、長さを変えることで、全く印象が変わることに新鮮な驚きを覚えながら描いていました。

3枚目は、透明なラムネの瓶とストライプの布をモチーフに、独自の画風に挑戦している生徒さんの作品です。テンペラ絵具やテンペラと油絵具の混合白も併用しています。最初は透明な瓶によって歪んだストライプを画面に写すところから始まりましたが、段々と色と形のバランス自体に興味が向くようになりました。

カルチャー教室油絵クラスでは、描くことを純粋に楽しむところから初めて、様々なマスターピースに触れる中で、絵画表現の広がりや奥深さを実感できる授業を心がけています。


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